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又吉の「火花」読了しました。 モヤモヤする。



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芥川賞を受賞したことで注目を集めている又吉の「火花」を読みました。
結論から言うと、非常にモヤモヤします。

最後のページがすごく面白くて、買ったんですが、期待していたのと少し違うんですよね。




<あらすじ>

漫才師を目指すスパークスの徳永が、神谷さんという芸人と出会い、笑いとはなんなのかを考えるストーリーです。

結局スパークスは解散して、徳永は別の道に進むんですが、まぁ、紆余曲折ありのものを、148ページに収めているのはすごいと思います。

多分もっと書いてあったのを、そぎ落としていったんだろうなと言う粗さが見えた気がします。






<感想>

いや、ぶっちゃけ、そんな感動するところもないし、考えるぶんにはいいんですけど、カナリもやもやするんですよね。
っていうのも、ある程度のところまでは「面白い」と思って読めるんですよ。
でも、それを境に、最後のページまでまったく面白くないんですよ。

たしかに書いてあることは、芸人の又吉だから書けたものだと思います。
芸人の苦悩や、焦燥感なんかを細かに表しているし、なにが面白いのかって言うのは、芸人にとってのフェルマーの最終定理なんじゃないですかね。

この本を買うかどうか悩んだ時に、初めに数ページパラパラとめくってみました。
目次もなく、ただ淡々と書かれている活字。
それで最後の文を読んだんですよ。

「全裸のまま垂直に何度も飛び跳ね美しい乳房を揺らし続けている」
この文だけで、内容を理解しろと言われると、無理ですよねwww
でも、直感でコレは面白そうだと思ったんです。

作中の徳永は、又吉本人だと勘違いしてしまうくらいキャラが立っていましたし、これが本人のことを書いてないんだと思うまでに、半分を読んでました。
間違いなく、徳永は又吉本人なんだろうと思います。

そして神谷さん。
この人は、自分がオモシロイと思ったものを我武者羅にやってしまう人。
そこに常識なんてものはなく、徳永とはまったく対照的な存在です。

正直、神谷さんは面白かったですよ。
ただ、なんというか一般受けはしないんじゃないかなという感じですが、それでも面白かった。


後半に差し掛かるにあたって、急に熱が冷めたんですよ。

なんでかなぁと思ったら、神谷さんが面白くなくなったからなんですよ。

大衆を考えた徳永と、ただひたすらに笑いだけを追求した神谷さん。
この2極のうちの神谷さんが、徳永に寄ったんです。
その瞬間に蝋燭を吹き消したかのように興味を失いましたね。

私は赤ん坊にも妥協せずに笑いを取りに行く神谷さんを素晴らしいと思います。
芸人ってそれくらいの気概でやるもんだよね と常々思っていたからです。

でも神谷さんは、依存しているところがあるんですよね。
初めは居候していた女性に、次に別の女性に、最後に徳永に。
寂しかったんだと思います。自分が追求していくことを受け止めきれなかった。


でも、最後は面白かったんですよ。
あぁ、こいつはまたやるなって思わせてくれたんですよねw


大衆に寄るのか、思いを貫くのか。
非常に大きな問題です。
たしかに、これは純文学だと言ってもいいと思います。テーマにおいては。





<芥川賞に納得出来ない>

しかしながら、この本が、芥川賞をとるのはどうかと思うんですよ。
もしも、これが又吉が書きたいと思っていた作品であるならば、又吉は本当は賞に選ばれたくなかったんじゃないかとも思うんですよ。

作中に「だから、鬱陶しい年寄りの批評家が多い分野は必ず衰退する。確立するまで待ったらええのにな」という言葉が出てくる。もちろんコレは抜粋で、実際はもっと長い。
正直に言うと、だからどうした 何だけれども、賞の受賞に関して、この部分の神谷さんのセリフがとても引っかかるんだよね。

もちろん、それに対して、それは正しい考え方だともしているけれど、じゃあなんでこの文を一番長いセリフとして書いたんだろう。どこか削る部分はなかったのか?
たかだか、一人の登場人物のセリフに、なぜ1ページも使ったのか。

又吉自身、批評されることは受け入れているのだろうけれど、どこかでそれを嫌に思っているからこそ出た言葉なんじゃないんだろうか と思ってしまったんですよ。

そして今回の芥川賞は、どこか純文学のパフォーマンスにも捉えられているところがありますよね。
それは本当に正しい批評なんでしょうか。
話題性が上がったからこそ、考えもしない批判が飛んでくると考えると、このセリフは見逃すことが出来ないし、そう思ったら、そこまでする必要があるのだろうかと思うんですよ。


別段、又吉が話題を取りたいから書いたというなら、全然頷けるんですが、本当に書きたくて書いたんだったら、やっぱり受賞は違うんじゃないかなぁと思います。






<総評>

確かに、芸能人が書いたものにしては、よく書けていると思います。
細かい描写や心情。苦悩、葛藤、誇り。
148ページなのでさらっと読める。

徳永が、又吉とダブって見えてしまうくらいに、すごく立てられていて、色々なことを考えさせられました。

ただ、そこまで話題に上がるかといえば、そうでもないです。
よく書き込まれていますし、読み返すたびに、その意味を考えてしまう作品ではあるけれども、必ずしも面白い作品とは言いがたい。

むしろ、話題に上がらなかったほうが、面白いと感じたと思います。
無駄に受賞して、そのハードルが上がってしまったから、落胆も大きいのではないかと思います。

期待するほどのものではない。
そこまですごいことが書いてあるわけじゃないし、大衆的な見方をすると、どうしても神谷さんがみすぼらしく見えてしまう。
受賞していなければ、オススメできた作品だったと思うのですが、受賞してしまったからこそ大衆のハードルを越えられない作品になってしまった感が否めません。






面白いと思って買った私ですが、これなら古本でも良かったなと感じます。
さすがに148ページで1200円(税別)はぼり過ぎじゃないですかね。

しかも、ここまで盛り上げて、そのハードルを越えられない部分を作ってしまっている。
辞退しても良かったんじゃないかと思うくらいです。

結局又吉は、どこまでも大衆的だっていうことなんでしょうかね…
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  • コメント

    No title

    ピースの又吉さんの火花、気になってたんですけど、、確かに賞とっちゃうとハードル上がりますね。

    Re: No title

    なんか賞を取ってしまったが故に、モヤモヤするものが生まれてしまったんじゃないかなぁと思うんですよね。

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